私は最近、東京荏原中央警察署(荏原警察署)で警視庁の方々に合気道のクラスを教える機会がありました。これは部下にいつもの練習を違ったアプローチで行ってほしいと考えた星荏原警察署長の発案でした。日本の警察官は日本の武術を練習することが義務付けられており、合気道は逮捕術のもとになる訓練の一つであることはよく知られています。そして歴史的には、故塩田剛三が創設した養神館の流派が正式な合気道のカリキュラムとして構成されています。
星署長は養神館ではない私のクラスを荏原警察署の合気道家達が合気道への違ったアプローチを学ぶことで経験を深める機会となることと見なし、私のもとに合気道のクラスを指導してほしいと話をいただきました。翌週には全日本養神館合気道総合演武大会が開催される予定であったため、ダイナミックな流れの取り組みがチームにとって有益であると考えました。そこで、英国に住んでいた時に学んだ養神館の技をそのままに、スピード、ダイナミズム、ある程度の自由度を加えようと試みました。
このクラスは、特に自分とは全く異なる実践規範を持つ方々に合気道のクラスを提供する稀な機会となったという意味でも、本当にやりがいのある経験をさせていただきました。その日出席していた警察官たちは、私のクラスを真剣に取り組くんでもらえ、オープンで誠実な好奇心を持っていたことに感銘を受けました。
クラスは非常に早く進みました。養神館の形で技を毎回披露し、次に同じ技をダイナミックな動き、または応用の形で披露しました。非常に興味深いのは、これらの稽古生達の反応に対応するために自分自身を適応させなければならなかったことが何度かあったことです。これは、道場の常任指導者である荒井先生との最後の自由技のときにさらに明らかになりました。
私にとって今回の経験は素晴らしい学習となりました。正直に言うと私はその朝、何かを実演するつもりで警察署に行きましたが、結局、今回の経験から最も多くを学んだのは私だったかもしれません。ある一定のレベルから、自分の技が自分の道場では重要であるのに、異なる流派の人々にも意味があるかどうかを確認するために、常に自分の練習を外部に公開する必要があると私は信じています。他の人と共有する機会が再び訪れることを心から願っています。私としては、できるだけ頻繁にこのような状況に生徒として身を置ければと思っています。
写真: 篠田幸治